導入事例 ミナミファーマシー様

CASE09

ますます増加する高齢患者と向き合うための切り札に

横浜市南区
門前薬局 (医院) 面薬局 地域密着
取材日:2014年03月

正しく投薬を行い、投薬・監査の結果を客観的なデータで確認できる体制を整える。「ミナミファーマシー」はauditを活用する事で進む高齢化と向き合っている。

ミナミファーマシー
山田 真幸 様
(薬剤師・ケアマネージャー)

高齢化社会に対する具体的な仕組みづくり

横浜市内を流れる大岡川沿いは春になると500本以上の桜が咲き誇り桜の名所として知られる。その川沿い、京浜急行南太田駅のほど近くに「ミナミファーマシー(山田 真幸 様/薬局長)」はある。

1989年、ミナミファーマシーは隣接する病院の院外処方実施に伴い開局した。薬剤師8名、調剤事務3名が在籍しており、一日平均約130枚の処方箋を取り扱っている。近隣の病院や、クリニックのみならず100ヶ所近くの医療機関から患者様が訪れるため、約1,600種類の医薬品を常に在庫し幅広い処方箋に対応している。

「患者様の高齢化に伴い、薬が足りない、薬が入っていなかった、という問い合わせが多くなってきた」と山田氏は語る。高齢化への対応を迫られるのは、決して地方の過疎地だけではない。横浜市の人口は約370万人、そのうち65歳以上の高齢者が約77万人(20.8%)を占める。2005年から2035年までの30年間に65歳以上の高齢者が最も増える市区町村は横浜市だという意外なデータもある。ちなみに、認知症患者は、65歳以上の高齢者の約15%と言われており、予備軍の軽度認知障害を含めると25%になるという。実際、同局でもほとんど説明を理解できない患者様も来局されている。「高齢患者とどう向き合うか」は全国どこの薬局でも深刻な課題となっていると言えるのだ。同局でのaudit導入は、まず薬局として、正しく投薬を行い、監査した結果を客観的なデータとして確認できる仕組みを実現するためだ。本システムを導入したことで、正しく投薬したことを自信を持って説明できるようになり、患者様にも理解してもらえるようになったという。

投薬カウンターの様子

日々の積み重ねが薬局への信頼につながる

「(auditを)入れることですぐに経営的効果が出るわけではないが、患者様との信頼を築くことにより、長い目では確実に効果が出る」と同氏は語る。調剤監査の精度は確実に上がったとのことで、先発品とジェネリック医薬品の思い込みによる取り間違いをauditが発見することもあるそうだ。薬剤師の目に加え、機械の目でも薬種と数量のチェックを行うことで、うっかりミスを効果的に防げるようになった。更に、調剤のミスを自分自身で発見できるようになったため、ダブルチェックを一人で完結できるようになった。同局では年間3期の学生実習を受け入れている。以前は、実習生に薬剤師が一人つく必要があった。実習生がauditを使って、調剤ミスを自分でチェックすることで、薬剤師がつきっきりで面倒をみる必要がなくなった。

auditを操作する実習生

薬剤師としてできることはまだまだたくさんある、と語る同氏。同局は在宅医療、休日診療所、夜間救急センター、難病患者の支援など、様々な形で地域医療に貢献している。これからも域を支える存在として、患者様に健康と安心を提供していく。

調剤室の様子