導入事例 株式会社ハトリ薬局様

CASE36

調剤監査システム「audit」により 薬剤師の負担を軽減、顧客満足度が向上

埼玉県川口市
一人薬剤師 地域密着 効率化・合理化
取材日:2022年6月

ハトリ薬局は、調剤監査システム「audit(オーディット)」を導入し、薬剤師の対物業務負担を軽減、患者とのコミュニケーションに注力することで、顧客満足度を高めている。その結果、遠方医療機関の処方箋応需が増えるなど、地域住民からの信頼が増している。

株式会社c.b company
代表取締役 井上 智博様(薬剤師)

100以上の医療機関の処方箋に応需

ハトリ薬局は、埼玉県川口市の工場街に隣接する住宅地にある。開局して約40年の歴史を持つが、2020年10月に経営者が交替、薬局名や建物はそのまま引き継いでリニューアルオープンした。現在は、株式会社c.b company(本社:東京都北区)の代表取締役で薬剤師の井上智博氏が経営している。
「ドラッグストアや調剤薬局で勤務していましたが、自分を成長させるために薬局の経営を志していたところ、ハトリ薬局の事業承継のお話をいただき決断しました。先代のオーナーが培ってこられた地域の人々からの厚い信頼を裏切ってはいけないという想いが第一にあります」と井上氏は言う。
 同薬局は繁華街から距離があるため、開局当初から雑貨を多数扱っており地域住民に喜ばれている。現在も、遠くに買物に行けない高齢者などのために、広いスペースを活かして、需要のある洗剤や紙オムツなどの雑貨を豊富に扱っている。
 ハトリ薬局の処方箋応需枚数は900~1,200枚/月だが、100以上の医療機関の処方箋を応需しており、近隣クリニック以外のものが半数以上を占めている。備蓄医薬品目数は約1,500品目、ジェネリック医薬品使用率は88%、薬剤師は1人、事務は常勤1人、非常勤3人の体制である。
「服薬指導にあたっては、患者さんのふとした時に見せる表情や口調から考えを汲み取り、その人に合った言葉にして届けることを心がけています」(井上氏)

広いスペースを活かして雑貨が多数並んでいる

監査履歴を確認できるので安心

井上氏は自身を含むスタッフ全員の対物業務への負担を減らすために、さまざまな機器を積極的に導入していこうとしている。リニューアルオープン後、速やかに調剤監査システム「audit」を導入したのも、そのような考えに基づく。「audit」は産業用向け電子機器メーカーの株式会社コンテックが製造販売している。井上氏が以前勤務していた調剤薬局のグループ店で「audit」が使用されていたことから、その特徴や機能は把握していた。医療機器の展示会でも「audit」を調査していて、独立開業時には採用すると決めていたという。
 「audit」の使い方は簡単だ。ピッキングが終わった薬剤をトレイに並べて機械に挿入すると、薬剤の情報を画像や重量で読み取り、あらかじめ登録されているマスタ情報、処方箋情報と照合して瞬時に正誤判定を下す。万一、間違いがあれば、薬剤の画像と該当薬に×印が表示される。また、数量間違いがあれば、重量から判断して、自動的に個別監査画面がポップアップ表示される。さらに、処方内容と監査画像の履歴も確認でき、その情報を印刷することもできる。
「何よりも有用なのは、監査画像の履歴を確認できることです。時々、高齢の患者さんが『薬を受け取っていない』とお話しされることがありますが、履歴を確認したうえで自信を持って『もう一度探してもらえませんか』と言うことができます。ディスプレイを自分のスマホで撮影して、患者さんやご家族に見せて、納得していただくこともあります。対物業務を効率的に行うことで、ゆとりと安心感を持って患者さんとのコミュニケーションに集中できるため、顧客満足度が高まりました。遠方医療機関の処方箋を持ち込む方が増えてきたのもその表れだと思います」(井上氏)
 点眼薬と注射薬の扱いは少しコツがあり、井上氏も導入時に戸惑ったが、コールセンターを利用することで、すぐに問題が解決したという。
「機械に頼るのではなく、賢く使うことが大切です。『audit』の利用で薬剤師の精神的な負担も軽くなりました。薬局の規模によっては複数台をつなげて使うことも可能ですので、コンテックさんに相談されるとよいと思います」と井上氏は話す。

調剤監査システム「audit」を操作する井上氏

日経BP社の許可により「日経ドラッグインフォメーション」2022年9月号から抜粋したものです。
禁無断転載 ©日経BP社

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薬剤師の負担軽減 顧客満足度向上 調剤監査システム audit 事例紹介5 ハトリ薬局埼玉県川口市 井上様